雪害対策シリーズ⑵ 除雪
雪かきをなめるな⁉
潜むリスクと
3つのポイント
雪国へ移住したい…だけど気になるのが『雪』。雪害を防ぐために有効なのが除雪作業で、その代表が雪かきだ。地元民にとってはあたりまえの雪かきではあるが、いち移住者にとっては未知の体験。単純作業のようにみえますが実はリスクが潜んでいるんです。
この記事では除雪が必要なワケ、雪かき潜む3つのリスク、安全に雪かきする3つのポイントをご紹介します。また実際に冬に移住体験をするのもGood!ぜひともお問い合わせください。
★全5編 雪害対策シリーズ
雪害対策シリーズは5つの記事から構成されています。各記事はそれぞれで完結する内容ですので、目的に応じてご覧ください。この記事は⑵です。
⑴ 概論 「雪害と対策」
⑵ 対策1 「除雪」
⑶ 対策2 「雪道運転」
⑷ 対策3 「自宅」
⑸ 実例 「移住3年目の声」
(6)最新版「移住5年目の声」
なぜ除雪をするの?
雪害対策に有効!
5つの雪害のなかで、【積雪害】や【雪圧害】の対策として雪かきなどの除雪作業が適している。では具体的にどのような場面で雪かきが必要なのだろうか。
【積雪害】の代表例としては、外出困難が挙げられる。車が主な移動手段である石川県加賀市では、積雪によって車が動かせないことがしばしばある。もちろん公道には除雪車が来てくれるものの、公道までに出るまで(駐車場など)は自分で除雪する必要があるのだ。
【雪圧害】の代表例として、家屋倒壊の防止が挙げられる。屋根等に雪が大量に積もると、雪の重みに耐えきれずに倒壊するリスクがある。対策としては「雪下ろし」が有効だが、これは人が屋根に直接上がって雪を落とす作業のため危険が伴う。石川県加賀市の場合ほとんど雪下ろしはしないものの、中山間エリアに移住する際は注意しておきたい。
雪国で暮らすには除雪作業が必須であるが、除雪作業はリスクが伴うことを認識しないと、最悪の場合命を落としかねない。次章では雪かきを行う際に潜ぶ具体的なリスクをご紹介する。
コラム1 雪かきに必要な道具
積雪量に合わせた道具を使用します。
詳しくはお近くのホームセンターでお尋ねください。
- 除雪ほうき
- 雪はねスコップ
- スコップ
- スノープレッシャー
被害の90%は除雪中⁉
除雪作業に潜む危険
除雪作業にはリスクがあり、特に雪下ろし時は大変危険である。雪に起因する人的被害の90%は「除雪中」で発生している(令和元年度)。過去10年間の事故の傾向をみると、雪下ろし等の除雪作業中の死者が多く、平成30年時は雪害により死亡した40人中すべてが雪下ろし等除雪作業中の事故だった。
また雪下ろし以外にも注意だ。屋根からの落雪で埋もれたり、用水路等に落下したりと、死傷者が出ることがある。雪かきをする際は、これら3つの危険を意識しよう。
★3つの危険
- 【転落】ー 雪下ろし
- 【落雪】ー 屋根下にいるとき
- 【落下】ー 用水路があるとき
コラム2 雪かき時の装備
雪かきに適した装備をしましょう。
雪かきをしているとだんだんと暑くなるので注意。
- 速乾性のあるインナー
- 撥水性のあるアウター
- 滑りにくい長靴、手袋
- ニット帽
3つのポイントで、
安全に雪かきを
実際に安全に雪かきをするために、何を意識すべきだろうか。これには国土交通省の「雪下ろし安全10か条」を参考に、10か条をさらに3つのポイントにまとめた。
ポイント1.安全のための準備
装備:滑りにくい長靴・手袋を着用
注意:屋根から雪が落ちないか確認
道具:除雪道具の点検
+α)雪下ろしをする場合
- はしごを固定する
- 屋根の足場を確認する
- 家の周りに雪をためる(落下時に有効)
- 命綱・ヘルメットを装備する
+α)除雪機を使用する場合
- 事前に練習をする
- 雪が詰まったらエンジンを切る
ポイント2.早期発見の対策
緊急事態に対応できる環境をつくる。
- 複数人で実施する
- 携帯電話を身につける
ポイント3.早めの休憩
雪かき時は適度の休息を取らないと思わぬリスクが発生する。心臓専門医のフランクリン氏の研究チームは、健康な若年男性が雪かきをすると、体にランニングマシン運動以上の心拍数・血圧の上昇率があるのを発見した。この状態で冷気にあたり続けると心臓発作が発生する条件が見事に整うようだ。
★心臓発作の発生要因
- 「心拍数・血圧の上昇」
- 「冷気により血液供給量不足」
対策はこまめに休息を取ること。1時間作業したら休息をとるのが目安だ。
コラム3 雪かきに適したタイミング
適したタイミングに実施して、効率よく雪かきをしましょう。
ポイントは気温が上がりきる前です。
- 早朝
- 雪が降りだした日の夕方
- 雪が積もりきる前
石川県に移住する前に
まずは移住体験
雪害を防ぐためには除雪作業は有効だが、生死にかかわるような危険性も潜んでいる。事前にリスクがあることを認識し、対策をすることが重要だ。雪害には「雪道運転」や「自宅」にも起こるので、こちらもご覧ください。
なかなか冬の暮らしを実感しにくい方には移住体験がオススメ!加賀市定住促進協議会が用意している『お試し住宅』を利用し、実際に住んでみると良い体験になる。生活については移住コーディネーターが指導するため安心してご滞在できる。まずはお問い合わせからご連絡ください。
滞在期間 | 最大1週間 |
対象者 | 地方移住を検討中の方 ※観光や営業目的の方は、参加をご遠慮頂いております |
参加費 | 無料 ※滞在中の食費は自費となります。 |
集合場所 | かりぐらしの家(石川県加賀市大聖寺神明町46) ※駐車場3台分あり |
電話予約 | 0761‐71‐0099 |
公共交通機関 | JR加賀温泉駅、JR大聖寺駅、小松空港 ※最寄りは大聖寺駅(徒歩10分程度) |
滞在場所 | お試し住宅に無料滞在できます。 |
申込方法 | 滞在日程や参加者数などを、お問い合わせフォームにご記入ください |
参考文献
- 国土交通省,「地域振興:雪下ろし安全10か条~除雪作業中の事故に注意しましょう~」
- 首相官邸ホームページ,「雪害では、どのような災害が起こるのか | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)」
- 総務省消防庁,「令和2年版消防白書 第8節その他の災害対策」
- ミツモアMedia,「雪かきの正しいやり方・基本的なルール!始めるタイミングやコツを知ろう」
- BCC NEWS/JAPAN,「解説雪かき危険 なぜ大勢が雪かきの最中に死亡するのか」