石川県の雪を肌で感じた経験から、美味しく暖かい冬を過ごす秘訣を考えました。

「どこで暮らし、なにを食べるか?」は、日常を豊かにするうえで、とても重要です。

石川県の厳しい寒さは、冬の味覚というご褒美をもたらします。その代表格であるブリやカニ、タラは、まさに口福を運んでくる歳寒三友、この季節の家庭料理を賑わす海の友です。

おもむろにカニを捌いて、それらを九谷焼や山中漆器に盛り付けて味わうことが、冬の口福なのです。寒がりの私が、石川県で暮らしている理由のひとつが、食文化の誘惑にあります。

このような魅惑に満ちた美食が恋しくなり、ついには移住される方もおられるのではないでしょうか。そんなときに浮上するお悩みが、石川県の冬はどれくらい寒いのか?どれくらい雪が降るのか?という不安です。この記事では、冬の実情をお伝えしながら、その対策を考えたいと思います。

冬の厳しさのなかに、口福をみつける。ご家庭での食育にも結び付く、そんな暮らしを始めてみませんか?

 

雪道の運転が不安な方のための移住体験。

まずは公共交通機関で移住体験に参加するのがベストです。万が一、大雪などの悪天候が予想される場合は、予約のキャンセルもできるため、お気軽にご相談ください。

石川県加賀市には、移住検討者が住まいや仕事を探すための滞在拠点「お試し住宅」(最大3泊4日まで無料)が用意されています。お試し住宅は、もともと空き家だった建物を活用しているため、冬のリアルな暮らしも体感できます。

移住コーディネーターのもとには、年間200組(400名)前後のお問い合わせが寄せられています。その中でよくある相談が、石川県の冬や雪についてです。

私は18歳までは加賀市で暮らしていました。その後、関東で生活し、Uターンしてから5年が経ちました。こうした経験も踏まえ、冬の暮らしの実態をお伝えしたいと思います。

 

どれくらいの寒さなのか?服装は?

暖冬の影響なのか2023年は、12月にも関わらず最高気温が20℃を越えるという異例の天候でした。昨年度は、どのような気温だったのか、気象庁が公開しているデータをもとに見ていきましょう。

 

あくまで平均値です。実際には12月~1月にかけては最高気温が15℃以上の暖かい日もありました。その反対に、最低気温が-2~3℃くらいの日もあります。

北陸の冬を暖かく過ごすコツは「モコモコ」です。

私はとても寒がりなので、アパートの中ではモコモコの靴下・モコモコのスリッパ・モコモコの部屋着を愛用しています。

外出するときは、防水ブーツと帽子、お尻まで覆える丈のあるダウンで徹底防寒。冷気をシャットアウトして、外にいても暖かいと感じる服装で出かけます。

雨や雪の日は、町でも歩けそうなデザインかつ防水性のあるアウターということでスキーウェアを選ぶこともあります。

暖房器具について

築5年程のアパートで暮らしていますが、冬場は「エアコン」で十分温まります。

古い木造住宅の20畳ほどの和室では、「ファンヒーター」と「灯油ストーブ」を併用しています。燃料である灯油は、業者が配達してくれるほか、ホームセンターやガソリンスタンドなどへ自ら買いに行くこともあります。

灯油ストーブの良いところは、暖房と調理という2つの機能を兼ねているところです。鍋を置き、コトコトと煮込むことができ、おでんを作っていると、出汁の香りが漂います。

「薪ストーブ」を使っている家庭や飲食店もあります。薪を調達するコストはかかりますが、かなり暖かく、インテリアとしても活躍します。

 

どれくらいの雪が降るのか?

こちらも気象庁のデータをもとに、見ていきましょう。ただし、観測所が加賀中津原という山間部なので「雪が多めで、解けにくいエリア」であるという点を、念頭にご覧ください。

ここ数年の体感ですが、石川県の雪の特徴を一言でいうと「積もっては解けてを繰り返す」です。毎日、雪かきするほどではありません。

2022年12月下旬、40㎝以上の雪が積もりましたが、すぐに解け、しばらく雪は積もりませんでした。

2023年1月下旬、50㎝近くの積雪がありましたが、その後、解けては降ってを繰り返していました。

そのため雪かきも毎日する必要はなく、たくさん積もった時だけ雪かきして、後は自然に解けていくのを待っていました。私は、アパートに暮らしているため、お隣さんと協力しながら、自宅まわりを2~3回だけ雪かきしました。

 

冬の備え

「子どもが雪遊びするほどの積雪があり、かといって毎日雪かきするほどでもない」というのが、ここ数年の感覚です。ただし豪雪が数年に1度はあるだろうという心構えは必要です。

よくある誤解が、北陸というイメージから「屋根のうえで雪降ろしをしなければいけない」「玄関が雪で埋もれる」と思われていることです。ちなみに、私は加賀市育ちですが、屋根雪降ろしするほどの豪雪を経験したことがありません。

 

屋根雪に注意

雪かきでは、屋根雪の下敷きにならないようにしましょう。お子さんが雪遊びしているときも、屋根雪の落ちてくる場所で遊ばないように注意を促してください。

あとは除雪後の雪をどこに置いておくかは、よく考えます。道路や、隣人の敷地などに雪をまとめて放置すると、トラブルの原因になるため、居住する敷地内に貯めておくのが無難です。

 

雪道の運転

石川県では、降雪時に道路から水が出ています。これは融雪装置といって、雪を解かす機能があります。融雪装置のない道路では、除雪車の活躍により雪が一掃されます。

それでも一部の道路では、路面が凍ったり、雪が残っていたりすることもあるため、安全運転を心がけましょう。路面の凍結時や積雪時は、ゆっくり運転することを基本に、くれぐれも急発進、急旋回、急ブレーキはやめましょう。

外出先で車に雪が積もったときのために、スノーブラシ(スクレーパー付)を車に積んでおくと便利です。

またスタック(雪にタイヤが埋もれて空転してしまう状況)に備えて、スコップや手袋、長靴も車に常備しておくと役立ちます。

多少、遠回りになっても、なるべく雪のない道を運転するのが、安全です。

 

移住体験

中古住宅の購入や借家を検討されている方から、石川県の冬や雪について知りたいとご相談いただくことが度々あります。そこで今回は、石川県加賀市で暮らしている者の立場から、リアルな感想をお伝えしたいと思い至りました。

お試し住宅は、もともと空き家だった建物を活用しているため、寒さの実情も感じていただけます。自らの肌で感じた経験を、アパート、中古住宅、新築などの選択肢を絞り込む判断材料としていただければ幸いです。

こうした寒さに引き換え、新鮮な魚介類を食べられるというのも魅力的です。スーパーでは何が売られているのか?どこの飲食店に行けば、美味しく料理された鮮魚を味わえるのか?そういった生活を楽しむ工夫も、移住体験で感じていただければ幸いです。

「厳しさのなかに口福を見つける」という暮らしは、子育てするうえでも良い環境だと思います。

お試し住宅

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