直感と縁と
少しの決意から
移住先を創る

柴山潟と男性と看板

軒端 秀幸さん
Nokibata Hideyuki

2020年に石川県加賀市に移住した軒端さん。2022年4月に独立し、片山津温泉でウォーター・アクティビティの体験プログラムを提供する『Shibayama Slow』をスタート。今後は温泉街での滞在を楽しむプログラム開発にも取り組みます。

海外生活、別地域での田舎ぐらし経験をもつ軒端さんにインタビューしました。移住先の探し方、石川県加賀市への移住の経緯、また現在の活動をご紹介。移住先ランキングだけでは移住先がみつからない、そんなことを軒端さんのお話から学びました。

(2022年4月インタビュー)

看板に赤服

柴山潟とカヤック

 

 

移住経験を教訓に
石川県加賀市へ移住 

前職(株式会社ノスタルジックカンパニー)への転職をきっかけに、2019年7月に愛知県名古屋市から石川県金沢市へ移住。片山津温泉にあるゲストハウス『besso片山津温泉』のオープンを控え、僕が店長として働いていました。当初は金沢市から車で通っていましたが、次第に職場近くに住みたいと思い、2020年8月頃に石川県加賀市へ移住しました。

2021年11月に前職を退職して独立、2022年4月からカヤック・SUP等のウォーター・アクティビティ体験プログラム『Shibayama Slow』をスタート。インストラクターとして、片山津温泉の柴山潟をフィールドにウォーター・アクティビティを楽しめる体験コンテンツを提供しています。

これまで趣味ではウォーター・スポーツをやっていましたが、このように仕事として携わることになったのは、片山津温泉観光協会のご支援をはじめとし、周りの方々のサポートがあったからです。つくづくラッキー者だと実感しています。

男性が女性に教えている
インストラクターとして体験をサポートする

 

昔から自分らしい豊かさとは何だろうと考えていますが、移住した今でもその答えは分からない。けれども過去の海外生活と、生まれ育った都会から田舎へ移住した経験から「場所でもない、人でもない。自分次第で豊かさを創ること」を教訓として持っています。

『Shibayama Slow』の活動はまさに、ここで自分自身の豊かさを創る過程そのものですね。

白山を望みながらカヤック
柴山潟を堪能するプログラム「Shibayama Slow」

 

 

海外生活で培った
移住への耐性

昔は地元があまり好きではなく、おかれた環境に抵抗するように青春時代を過ごしました。中学生の頃といえば、夜の公園に友人と集まっては、ひたすら「どんな暮らしや生き方が理想なのか」について語り合っていましたね。

僕の性格上想いや思考を言語化するのが得意ではないので、気の合う友人たちと想いを言語化し、共有した体験は貴重な時間でした。またぼんやりとですが、生まれ故郷には僕にとっての豊かさはない、と将来へのイメージを持つことができた。

とはいえ、特にやりたいことがないまま日々を過ごしていました。19歳の頃、環境をガラリと変えたい一心で仕事を退職。外の世界に逃げるようにして語学留学でカナダへ。語学留学終了後も日本に帰りたくない気持ちが強く、何とかしてカナダに残るために現地の大学に進学しましたね。

外に出たい気持ちで始めた海外生活でしたが、得れたことも多かった。コミュニケーション能力や、フットワークの軽さは身についたし、性格もおおらかになった気がします。

結果的にカナダでの海外生活のおかげで価値観は広がり、そして異世界で住むことの抵抗もなくなりました。そういう意味で移住に対する耐性がついたかもしれません。当時は回避欲求から行動した海外生活でしたが、今の移住生活の土台となっています。

服を着た男性

 

 

心地よい場を求め、
移住先探しの旅へ

カナダから帰国後、23歳の頃には本格的に田舎ぐらしに憧れました。そこで気心知れた友人と日本全国移住先さがしの旅に出て、憧れた田舎ぐらしを求めて1年かけて移住先を探し回りました

今思えば漠然とした移住イメージのまま、到底移住先がみつかるとは思えないけど、とにかく自分の心地よい環境がどこかにないかと模索していました。結局その旅では移住先は見つからずじまい。けれども田舎ぐらしへの興味は膨らんでいきましたね。

そうして再び生まれ故郷に戻って暮らすうちに、2016年に転機が訪れました。とある田舎へ移住した友人から「遊びに来る?」と誘いを受け、軽い気持ちで来訪し、なんとそのまま居座ることに(笑) 思いがけない形で始めた田舎移住でしたが、1年くらいはそこで暮らしました。

服とマスクをする男性
初めての田舎暮らしと、反省を語る軒端さん

 

その移住先は石川県加賀市と比べると田舎具合が強く、世帯数は1ケタ、平均年齢は60代後半、コンビニまで車で30分程かかるところ。いわゆる限界集落と呼ばれるようなところです。とはいえそれなりに楽しく暮らし、家に帰れば野菜が置いてあったり、地域の方から伝統文化を教えて頂いたりと、地域の方にもよくしてもらいました。

それなりに楽しく過ごしていた一方で、違和感も感じるように。思い描く田舎ぐらしとは程遠いものだったと自覚してきたからです。

理由は2つあって、1つはまちのライフスタイルが合わなかったこと。生まれ育ちが名古屋の自分にとって、都会のテイストが全くない環境がストレスにもなっていました。もう1つは、移住後のビジョンが曖昧だったこと。「これをしている!」みたいなものが示せず、田舎ぐらしをたた楽しむだけ。後悔が残った田舎ぐらしでもありました。

初めての田舎ぐらしで学んだのは、心地よい環境を見つけるよりも、自分で心地よい環境を創るマインドの大切さ。場所でも人でもなく、結局は自分次第なんだって反省しました。

 

 

肌に合う移住先で
主体的に生きていく

1回目の田舎ぐらしの幕引きは突然と訪れ、豪雨による被災をきっかけに名古屋に戻りました。それから不動産コンサルティング会社に就職して、たまたま出張で石川県金沢市に短期滞在したんです。なんとなく石川県は肌に合うと感じました。釣りやウォーター・アクティビティを楽しめる自然環境と、都市的要素も兼ね備えるバランス感が絶妙。そして名古屋から車で3時間ほどの好アクセス。

そうして金沢に移住し、仕事を通じて片山津温泉と関わる中でまちの魅力に魅かれた。今や体験コンテンツ提供者として、片山津温泉の魅力を伝えられることに奇縁を感じます。

海外生活、田舎ぐらし経験、そして石川県加賀市への移住を通して「場所でもない、人でもない。自分次第で豊かさを創ること。」を教訓として持っています。もちろん個々人に合う自然環境と都市的要素のバランスも大事。またどんな人と暮らすかも重要。ただ最も重要なことは、移住先で何をするかです。

柴山潟でカヤックを楽しむ

 

正直ウォーター・アクティビティをやることに迷いもありましたが、柴山潟ならスローライフを堪能する時間旅行ができると思いました。なにより僕の得意とするウォーター・スポーツ経験が活きる。「俺がやるしかない…!」と決心し、ウォーター・アクティビティ体験をすることにしたんです。

最近では柴山潟のゴミを片付けるクリーンイベントを開催したり、試乗会をしたりすると、自然と人が集まってくれるのを感じます。主体的な人のところには人が集まりやすい、改めて主体性をもってまちに関わる大切さを実感しています。

柴山潟でゴミ拾いカヤック
カヤックを楽しみながら、柴山潟を綺麗に

 

 

プログラムを通して
温泉街の魅力を伝える

時間の移ろいで顔を変える『彩湖さいこ』の柴山潟、そして温泉やグルメが楽しめる片山津温泉で、スローライフ的な時間旅行を楽しんでもらいたい。そのためのコンテンツを現在開発中です。

具体的には、カヤックの上でコーヒーを楽しむプログラムや、ドック・カヤックとしてペットと一緒に遊べるプログラムなど。まだまだ『Shibayama Slow』の活動は始まったばかりですので、貪欲にチャレンジしています。

移住希望者や観光客の方はもちろん、ぜひとも地元の方にも楽しんでほしい。柴山潟で遊べることを伝えたいんです。カヤック・SUPを使ったウォーター・アクティビティを体験したい方は、お気軽にお越しください。

柴山潟で2人がカヤック
多様な顔を見せる『彩湖』の柴山潟

 

移住を検討する方には、移住先で何をしたいのかを考えてみては。仕事でも趣味でもどちらでもいいですが、ポイントはあなたが主体性を発揮できるか、その観点で移住先を探してみるのも面白いですよ。

まずは移住体験を利用してもいいですね。自分の強みが発揮できるかを見極めることができれば、移住先がみつかると思います。最終的には自分で移住先を創ることを意識してみてください。

★Shibayama Slow

体験可能日や料金、活動についてはWEBサイト・SNSからチェックください。
HP:柴山潟カヤック体験
IG :柴山潟のslowな時間

 

 

 

軒端さんのお話を聞くプログラム

将来は自然体験プログラムを提供したい、開業の準備について聞きたい方にチャンス。軒端さんの体験プログラムに参加し、お話を伺ってみませんか。

滞在先は無料のお試し住宅をご提供します。まずはご連絡ください。

柴山潟と虹と男性がカヤック

移住体験について

体験名 Shibayama Slow
受付場所 片山津温泉 湯の元公園
お問い合わせ先 https://select-type.com/rsv/?id=Jp9DFrnOdwc
備考 体験可能日時、料金等は上記HPで確認ください