地域と温泉旅館の共なる発展を志す
森の中でひっそりと燃えたぎる、熱き想い

吉田支配人の画像

森の栖 リゾート&スパ
吉田 久彦 Yoshida Hisahiko

加賀温泉郷の1つ、山代温泉は緑が身近に感じられる温泉街。古総湯の2階、東を見るとお薬師さん(薬師山)が広がる。その山道を東に入り込むと1件の旅館が佇む。館内から外を覗くと、森に紛れ込んだ一匹のリスのような感覚。そして思う、ここが’森の栖’だと。

2014年に旧かが楽から、森の栖リゾート&スパへ。2017年に吉田支配人が就任し、リニューアルしたタイミングで様々な改革を実施。これまで赤字体質だった旅館を黒字経営化できたワケは。また、癒しを提供する温泉旅館という静謐せいひつなイメージとは裏腹に、地域への熱き想いも垣間見えました。

(2020年1月インタビュー)

森の栖外観の写真

森の栖から外観を覗くと、竹林が広がる

 

 

黒字経営化へ、コンセプトを追求する温泉旅館

加賀市出身で東京で働いていましたが、縁あって2017年に支配人として就任しました。元々女性の予約比率が高い温泉旅館でしたので、ターゲットを20~30代の女性に。コンセプトを『フェミニストな和風リゾート』と一新しました。

テーマ性のある客室を各種ご用意したほか、森の中のガーデンプール、プールサイドのドリンクバーといったリゾート施設、さらにフィットネスジム、温水露天ウォーキングプール、森が見えるヨガテラスといったウェルネス施設などを2年間かけて導入しました。

森の栖にある温水プール、竹林が見える。
ウェルネス設備の1つ、竹林を望む温水露天プールはオールシーズンご利用できます。

 

ピラティスを実際にしている様子最近では内側からの健康を目指す商品も提供しています。たとえば、2020年の1月にリリースした「リトリートプラン」では、森の中でヨガやピラティスなどを体験頂けます。デトックス会席」では健康になる食べ方・食材を提案しており、徐々にお客様からの予約も増えています。

心身共に癒され、「よし、明日からまた頑張ろう。」と思って頂ける体験を提供したいんです。

徹底したコンセプトの追求が功を奏し、今では赤字体質を脱却し、黒字をしっかり残す温泉旅館に生まれ変わって前進を続けています。20~30代女性のお客様に加えて、アジアを中心に外国人のお客様も増えてきています。

 

 

変化に対応し続ける温泉旅館であるために

私達の強みは他には真似できない事を挑戦するところです。私が新しい事好きなのもありますが、旅館の現状維持イコール衰退だと思っています。『また森の栖は面白い事をやっているね。』、こんな風に周りの方に言われたいですね。ナイトプール、イルミネーションバーなどはそのような想いから取り組んでいます。

従業員からの提案は大歓迎ですね。実際に採用した例はいくつもあります。大浴場近くの飲食スペースや、色浴衣の導入、これらは従業員のポロっと出た一言から生まれました。『それいいね、じゃあやろう。』って、こんな具合です。

森の栖のクラブ世紀がイルミネーションバーとして現在営業中
クラブ世紀からBar Blue Caveへ。蒼い空間で非日常を楽しめます。
ビールやアイスクリームを販売している休憩所
従業員の提案から、大浴場近くの休憩所でビールやアイスクリームを販売しています。

社内研修でも常に面白い事を考えています。目標設定講座として、メジャーリーガー大谷翔平君の曼陀羅チャートを紹介しました。できる限り面白い講義をしたいと思うのは、何のために働くのかを考えて欲しいから。向上心を持って働く人が増えれば、新たな提案が生まれてくると期待しています。

従業員全員が気軽に提案する、そんな風土を目指しています。一緒に働きたいのは向上心がある人、そして手の立場になって接客ができる人。接客の基本であるだけでなく、そこから新たな企画が生まれると思っています。

 

 

加賀市と温泉旅館は、運命共同体

うちは副業OK。むしろ、森の栖の経験を生かして個人で商売をどんどんやってほしい。地域が発展しない限りは、旅館にお客様は来ないんです。地域の発展と温泉旅館の存続は切っても切れません

実はここ、山代温泉は飲食店がかなり多い。約120の飲食店がある温泉街を他には知りません。この魅力を生かしたいと思い、お客様には宿の外に出る事を勧めています。近隣のグルメ情報を従業員と当館独自の視点で作成し、客室のお部屋に置いて紹介しています。

地域の発展のためにこれからも新しい事を仕掛けていきたい。そこには移住者の力も重要。移住者がお店を開きやすい、そんな街を目指したいです。

手作りの山代温泉付近の飲食店情報案内誌
吉田様と従業員が取材してまとめた「YAMASHIRO NIGHT BOOK」。約40の飲食店を紹介しています。

 

 

更なる癒しを 和風リゾートの挑戦は続く

異業種からの転職、大歓迎です。例えば健康系インストラクターの方などは、スタッフ兼講師として働ける可能性もあります。それ以外では、外国人スタッフの雇用も考えています。外国語の能力はもちろんですが、新たな視点や価値観を吹き込んで欲しいですね。

働き方改革も現在実施中。ホテルシステムをガラッと変え、これまで手書きだったものを自動化します。ミスも減るし、業務効率の向上が期待できます。今後は、従来の旅館勤務で長時間拘束を生みがちだった原因のひとつ、中抜け休憩を廃止して3交代制のシフトも考えています。

常に業務効率を改革して社員一人一人がサービスを追求できる。そしてこれからも、面白い事に挑戦し続ける。ご共感頂ける方、是非一緒に働きませんか。

森の栖の内湯の写真

 

魅力ある旅館をめぐるツアー

女性のお客様がなぜ集まるのか、その秘密をご自身で体感する旅館見学ツアー。地域に詳しい移住コーディネーターの案内で、加賀市の魅力を探求してみませんか。

客室の寝室の写真

ホスピタリティを探求する移住体験ツアー

 

事業所 森の栖リゾート&スパ
所在地 石川県加賀市山代温泉14‐27
募集求人 サービススタッフ、レストランスタッフ、調理スタッフ
スタッフ数 48名(2020年1月現在)
免許資格 未経験者、異業種の方歓迎


公式WEB