開業を応援するレストラン
料理人が旅立つ「カボチャ村」の秘密
有限会社トラント(カボチャ村)
代表取締役社長
渡辺 悟さん
ビストロ、カフェ、居酒屋、ケーキ屋の4店舗が集まる「カボチャ村」。バリエーションに富んだメニューとサービスが、多くのお客様を呼び寄せています。その一方で飲食店開業を志すスタッフも後を絶えません。なぜカボチャ村からは開業人材が羽ばたいていくのか、その秘密を取材しました。
温泉街の玄関通りを照らす「食の集積地」
カボチャ村の原点であるビストロ「ラ・ヴィーヴ」がオープンしたのは1990年です。当時はイタリア・フランス料理が珍しく、開業から1~2年で予約のお客様が多くいらっしゃる繁盛ぶりでした。そのころ同じビルには、旅行代理店とコンビニと弁当屋とレンタルビデオ屋が営業しており、賑やかな一角でした。しかし、そのうち一つの店舗が閉店してしまいました。ラ・ヴィーヴが位置するのは片山津温泉の入り口です。観光地へと向かう玄関通りに閉店店舗はマズイ。街の雰囲気が暗くなる。
そこで空き店舗に再び明かりを灯そうと一念発起して2号店をオープンしました。それがケーキ屋「ア・ポアン」です。つぎに居酒屋「いちごいちえ」、さらに村カフェ「アレコレ」の開業を決意し、現在のかぼちゃ村の原型ができました。
多種店舗を活かした経営術
複数のジャンルの飲食店を1つのエリアに集めることの強みは、多層多齢のお客様を呼び込めることです。たとえばビストロ「ラ・ヴィーヴ」は緑豊かな風景を眺められる雰囲気に造っているため、お食事をゆっくり楽しみたいお客様にオススメです。
一方で居酒屋「いちごいちえ」は、ほっとするような居心地の良さをテーマに店づくりに挑みました。ダイニング居酒屋の魅力を取り入れながら、宴会や家族で利用できる造りに設計し、お客様のタイプに応じた接客ができる場へとしつらえました。
また各店舗の営業時間をずらすことで、いつでも明かりの灯っているカボチャ村とお客様に認識されるようにもなります。
それが来店動機となり、家族団欒や友人とのひと時からウエディングまで多種多様な生活シーンで、カボチャ村をご利用いただける可能性が広がります。その活用プランを、お客様にご提案していくことも私たちの仕事です。
なぜ開業者を輩出するのか
カボチャ村ではスタッフの開業を応援しています。これまで計17店舗の飲食店が独立していきました。たとえばアジアンダイニング&bar「DaFu(ダフー)」、フレンチレストラン「江沼スタシオン」、和食料理店「さえ季」、パン屋「コパン」はカボチャ村の卒業生が営業に関わっている料理屋です。いまも2名、開業を目指しているスタッフが働いています。
優秀な人材が退社することは、決してマイナスではありません。地域に料理店が増え、地元の野菜や魚介類を仕入れることで地域経済は潤います。だから、独立を希望するスタッフは送り出してあげたい。「人が店をつくり、店が街をつくる」がカボチャ村の信念です。
発想力や経営手腕が磨かれる
タテ·ヨコ·ナナメの人事交流
カボチャ村にある4店舗をうまく活用すれば、ポジティブな刺激をスタッフに与えることだってできます。たとえば洋食を学びたい人がいた場合、普段はビストロ「ラ・ヴィーヴ」で働くのを基本に、たまに居酒屋「いちごいちえ」のお手伝いにも来てもらう。それが引き金となり、洋食のレシピを和食の調理方法でアレンジするという試行錯誤へと向かいたくなる可能性を作りだすこともできます。これが多種店舗で生み出せるヨコの交流。
他にもあります。これまで後輩として見習う立場にいたスタッフを、タイミングを見計らって店長に抜擢する。そうすることで「新人スタッフへの指導方法」「利益を生むための経営」など、開業に欠かせない経験を積んでもらいます。学ぶ立場から教える立場へとステップアップする人事異動を、1つのお店でやればタテの交流。複数の店舗を掛け合わせて行えばナナメの交流です。これらの取り組みには仕事のマンネリ化を防ぎ、ポジティブな刺激を生み出すという狙いがあります。
料理や接客は、作業ではありません。お客様は一人ひとり異なる趣向や事情を持ち合わせているのですから。スタッフには客層の異なる店舗で働いてもらいながら、サービスの幅をぐんっと広げてもらいたいと思っています。
信頼を育み、成長を促す会話
社員同士は、家族よりも長い時間を過ごすこともあります。だからこそ信頼が築かれる過程を大事にしたい。たとえば新人さんが入社して、なかなか仕事を覚えられないこともあるかもしれない。そんなとき「なんでこんなことも覚えられんのん」と愚痴をこぼすのではなく、たとえば口頭で伝えてから紙に書いて壁に貼っておけばいい。得手不得手は人の個性です。うちの社員にはよく伝えることですが「自分が新人だった頃を思い出して、どんなふうに教えてもらえたら仕事を覚えやすかったか」を振り返ってもらうようにしています。この小さな気遣いと気づきの繰り返しの過程で、スタッフの成長が見られるのは楽しいですよ。大事なのは「人に接している」という自覚です。
それは接客や採用面接のときでも同じです。そういえば以前「和食をつくりながら、洋食も勉強して、ケーキも作りたいので、カボチャ村で働かせてくれませんか」と言う女性が県外から来ました。面接でも日々の会話の中でも、スタッフがどういう働き方をしたいのかという要望を感じ取るよう心掛けています。そのうえで会社にできる事、お店ができる事、個人でできる事を使い分けながら、働き手のニーズに柔らかく対応していかなければならない。これは永遠のテーマですよ。飲食業で就職をお考えの方は、ぜびお気軽にご相談ください。
加賀の繁盛店を巡る移住ツアー
なぜ地方にもかかわらず、あの飲食店は繁盛するのか?地方で開業したい方、飲食業界への就職をご検討中の方の素朴な疑問に答える移住ツアーです。
温泉街から城下町まで、漁港から里山までを巡りながら、仕事のご相談を承ります。
事業所1
事業所名 | 有限会社 トラント |
業務内容 | 飲食店舗の運営及び人材の育成 |
所在地 | 石川県加賀市片山津温泉丁12-1 カボチャ村ビル2F |
募集求人 | 調理人 |
免許資格 | 経験者優遇 |
事業所2
事業所名 | 有限会社 パラダイスカンパニー |
業務内容 | ベーカリー菓子製造・販売 |
所在地 | 石川県加賀市片山津温泉井13-1 |
募集求人 | 調理人 |
免許資格 | ※経験者優遇 |