人と地域をつなぐ観光業。その年収は?
石川県加賀市は、人口6万人の温泉地。3つの温泉地「山中」「山代」「片山津」が一直線に並び、山から海までのあいだには、多様な文化が根ざしています。地野菜、米、鮮魚、ジビエ、茶、工芸、伝統建築、芸能とあらゆる文化がこの町に詰まっているのです。
この町には、約50軒もの旅館・ホテルなどが営まれています。温泉旅館を訪ねてみて驚くのは、20~40代の若手スタッフも多いということ。なかには従業員の半数近くが20~30代で構成されている旅館もあり、県外から移住して就職先に選ぶ人も少なくありません。
なぜ加賀市の旅館には、若手社員が集まるのでしょうか。若者を惹きつける魅力や、その年収についてお伝えします。
この記事の要約
・石川県加賀市は、温泉と山と海に恵まれた温泉観光地。
・この町の旅館やホテルで働く人の推定年収は約280万~380万円。
・さらに収入を高める鍵は、「地域資源」と「観光ニーズ」。
・まずは働きながら学ぼう。
・毎日温泉へ通い、山や海に癒されるライフスタイルも実現できる。
・「お試し住宅」は最大3泊4日まで無料で滞在可能。仕事探しの拠点に。
ホテルマンや旅館スタッフ、調理師の年収は?
文化と自然が共存する町、加賀温泉郷。この地域では、観光を盛り上げてくださる仲間を募集しています。
そこで気になるのは「町の様子」と「お金の話」。ホテルや旅館に就職したとして、どれくらいの収入が得られるのでしょうか?石川県加賀市における宿泊業の平均年収を調べてみました。
【調査方法】
2024年10月、ハローワークインターネットサービスに掲載されていた宿泊業(石川県加賀市における)の求人情報50件ほどの賃金・賞与を調べ、平均値を計算しました。
【結果】
フロント・接客係など
約22万円~27万円/月
ボーナス等を含めた推定年収は約280万円~約350万
調理場
約22万円~30万円/月
ボーナス等を含めた推定年収は約290万円~約380万
なかには賃金が~35万円/月の宿泊施設もありました。しかしながら年収だけでは就職先は決められません。
どのような就職先があるのか?
観光資源となりそうなものは何か?
加賀市はは、どのような暮らしができるのか?
「町の様子を肌で感じながら、就職先も探したい」という方にぜひご活用いただきたいのが「お試し住宅」です。この家では最大3泊4日まで無料でご利用いただけます。
より年収を高めるには?まずは観光ニーズを把握する
将来、観光業で収入を高めるキャリアを考えたとき、旅館は好適な職場でしょう。なぜなら文化を学びながら、観光ニーズを把握できる場だからです。
たとえばフロントや接客係は、直接お客様と接する立場にあるため
・旅人がどのようなことを求めているのか?
・何をするとより喜ばれそうか?
・どういうところにお金をかけるのか?
などの情報に肌で触れられます。つまり日々、旅館で働きながら知らず知らずのうちに観光のプロフェッショナルへと成長していきます。年収を高めるには、それらの経験を活かしたうえで社内創業や副業、独立などに取り組むのがよいでしょう。
たとえばゲストハウスやオプショナルツアー、セレクトショップ、飲食店、菓子販売、伝統文化産業などが考えられます。様々な展開を描けるのも、旅館に日本文化が凝縮されているという性質からきています。
現に旅館は、地域に人財を輩出しています。たとえば調理場で働いていた板前が独立して、和食店を開業するケースが確認されています。また副業でゲストハウスを始める、社内で商品開発に携わり売上に貢献する、という方法もあるでしょう。
とはいえ、観光業の未経験者がいきなり独立・副業・社内創業を考えるのは時期尚早かもしれません。まずは、観光ニーズを把握するところから始めましょう。
そして旅館で学べるのは、観光ニーズだけではありません。なぜリピーターが訪れるのか?そういう問いを持って働くことで、より多くのことを吸収できます。
旅館で働き、食文化を学ぶ。
美食のまちに惹きつけられるリピート客
観光業から学べる、もう一つのことは地域特有の食文化についてです。この町の食文化を語るうえで見逃せない事実が、「食と工芸が共進化している」という現象です。
石川県加賀市において、食と工芸は切っても切り離せない関係にあり、日本海の鮮魚がその一翼を担っているのは紛れもない事実でしょう。
石川県内には多数の漁港があり、冬の王者ズワイガニをはじめとし、ブリ、カキ、ノドグロ、ハタハタ、メギス、甘エビ、ガスエビ、タイ、カマス、アワビ、サザエなど豊富な魚介類が季節ごとに流通しています。こうした良港が、福井から富山にかけて海岸線に列をなしており、優れた食材が旅館に集まってきます。
その食材の持ち味を、どのように引き出すか?そこが料理人の腕の見せ所です。和食のベースとなる醤油も、北陸では甘い醤油が一般的。9~10月にかけて旬を迎える甘えびの刺身のねっとりとした味わいを引き立てるのは、やっぱり甘い醤油です。
そこにペアリングさせる日本酒も極めて多彩なバリエーションに富んでおり、ありとあらゆる食資源が無数に織りなすサービスは、まさに食文化の宇宙です。
このように食材、調味料、地酒などは当然のことながら地域ごとに異なり、固有の料理文化が日本各地で育まれています。
しかしながら、それを旅人に提供できるシステムへと磨き上げているのはごく一部。温泉地はその一地域といっても過言ではないでしょう。
とりわけ、石川県加賀市においては「工芸の産地」という特性が重なり、食文化の水準をさらに高めています。山中漆器や九谷焼への盛り付けは、いわば器による演出です。
盛り付けという仕上げ工程により、料理は表現となり、季節感や芸術性、ストーリー性を帯びてきます。器は料理人の武器であり、新進気鋭の漆芸家や芸術家が、食文化を縁の下から支えています。
そこに温泉と美食と宿泊がコラボレーションすることで、魅惑的な体験型コンテンツが誕生します。すなわち旅館業は、温泉+αの王道モデルでもあります。
このような高い水準を誇る食文化をプロの元で働きながら学べる環境が、石川県加賀市にあります。
宿泊業を楽しむコツ
リピート客を惹きつける魔法
宿泊業を楽しむ本質を、ひとつ挙げるとするならば「どうやってもう一度、泊まりに来てもらうか?」という点です。つまりリピート客をいかに生み出すか、ということですが、単なるリピーター獲得に留まっていてはいけません。
もう少し上を目指すなら、気心の知れたお客様に、何度でも通ってもらう。そうやって予約を埋めていくことが、観光業界で楽しく働くコツかもしれません。
2023年度、石川県加賀市には年間120万人の宿泊客が訪れました。当然のことながら、そのなかにはリピート客も含まれています。
なぜ加賀市には観光リピーターが集まるのでしょうか。優れた宿にはリピーターが集まり、旅人の心を掴んで離さない知見が蓄えられていきます。
その理由を温泉旅館などで働きながら学んでいただければ幸いです。
休日は、大自然と温泉に癒されるライフスタイル
この町で働く醍醐味といえば、温泉に通うこと。毎日温泉を堪能したい人のために、共同浴場(総湯)では、お得に入浴できる定期券のようなものも販売されています。
仕事の疲れは、帰宅前に癒やすという「通勤通湯なライフスタイル」も実現できるのではないでしょうか。疲労感を自宅に持ち帰らない、そんな夢のような生活に一歩前進できる温泉は、まさにみんなの福利厚生です。
また休日には、山や海といった大自然が癒してくれます。海水浴や釣り、トレッキング、家庭菜園などを気軽に楽しめるのも、山と海と温泉がギュッと詰まったスモールサイズな地域ならではの魅力です。
さらに伝統工芸について趣味で学んだり、料理や日本酒テイスティングに没頭することもできるでしょう。日々の感動をストックし、それを旅人に伝えることで、もう一度観光したいと思わせる。このように遊んだ経験をまるごと仕事に活かせるのが、観光業の魅力でもあります。
好奇心の赴くままに、石川県加賀市で新しいライフスタイルを始めてみませんか。
移住のご相談について
⒈まずは「お問い合わせフォーム」から予約しましょう。
⒉担当スタッフに、メールや電話で「観光業で仕事を検討している」旨をお伝えください。
⒊ご希望の日時で移住相談・ご滞在できるよう、予定を調整します。
※加賀市内には旅館等もたくさんあるため、そちらにお泊りいただきながら、移住体験・移住相談に参加することもできます。