石川県加賀市の
雪を学び
健康に暮らす
WINTER LIFE
北陸地方に位置する石川県加賀市はカニの産地としても知られる温泉地。
12~3月にかけては時折、雪の舞う銀世界が広がります。
情緒あふれる雪国へと姿を変えることもあれば
大雪として猛威を振るうこともあります。
しかし、悲観する必要はありません。
北陸における雪の特徴を紹介しながら
温泉と健康に絡めながら、冬を暖かく過ごす秘訣について考えます。
加賀市定住促進協議会では「スコップの選び方」「腰痛を予防する雪かきのコツ」「積雪を踏まえた家探し」「雪道の運転方法」など暮らしにまつわる様々なことをお伝えしております。
冬の暮らし体験をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
WINTER LIFE⒈気象
空を舞う、ぼたん雪とは?
石川県加賀市に住んでいると雪や霜、霧によって生み出される多様な光景と出会います。特に馴染み深い存在として「ぼたん雪」が挙げられます。
その雪質をまとめると
・積もりやすく解けやすい
・雪合戦、かまくら、雪だるまなどの雪遊びに向いている。
・冬場は常に積もっているわけでなく、途切れ途切れの積雪。
・水分が多く、凍りやすいため、雪かきにはアルミやスチールのスコップを用いる。
ぼたん雪という美しい響きは、牡丹の花びらが舞うように大きな雪片となって降る様に由来しています。雪の結晶が絡み合うことで生じる、この現象は北陸地方でも珍しくありません。雪合戦、かまくら、雪だるまといった雪遊びに適した、手で握りやすく塊になりやすい雪質です。
一方、北海道などの雪は、乾燥しているためサラサラとしており、軽いのが特徴です。内陸の山は、海から離れているため湿り気も少なく、また気温が低いときに降る雪のため、とけにくいです。
その点、ぼたん雪は気温が高く、空気が湿っていると降りやすいと言われています。
なぜ北陸地方では、ぼたん雪が降るのでしょうか。そこには暖流が影響しています。日本海を通る対馬暖流からは暖かく湿った空気が蒸発しています。そこへ大陸からの偏西風が吹き、水蒸気をたっぷりと吸い込み、雪雲が生まれます。
気温が高く、空気が湿っている気象条件のもとでは、水分を多く含んだ雪が作られ、結晶同士がくっつきながら降ってきます。ぼたん雪は、1つずつが大きいため積もりやすい特徴があります。ただ気温が高いときに降りやすいため、その分、とけやすいということになります。
とはいえ加賀市内でも山間部と平野部では気温が異なるため、平野部のほうがより雪がとけやすいという地域差が生じます。それゆえ平野部では冬のあいだ常時、雪が積もっているということは殆どありません。「積もっては解ける」を何度か繰り返す、断続的な積雪が特徴です。
雪は自然に解けることもありますが、それでも雪かきが必要な場合もあります。北陸地方の雪には湿り気があるため凍りやすく、除雪用のスコップにはアルミ製やスチール製を選びましょう。
WINTER LIFE⒉道路の積雪と凍結
雪の日に運転するコツ
石川県加賀市では、車を運転できなくなるほどの大雪はほとんどありません。その理由としては地方公共団体による除雪などが機能していることが挙げられます。毎年12月~3月にかけては多かれ少なかれ雪が降っているため、車道では様々な対策がなされています。
道路の積雪・凍結などには「除雪車」「凍結防止剤」「融雪装置」などの対策が講じられています。記録的な大雪や猛吹雪などがない限りは、車で生活できます。
ただし、除雪車が通ったあとも路面の積雪や凍結も懸念されるため、運転には注意が必要です。
・急発進、急ブレーキ、急なハンドル操作はしない。
・スピードを出し過ぎず、ゆっくり運転する。
・ブレーキは小刻みに踏み、徐々に減速する。
・車間距離を広く保つ。
などを心掛けましょう。凍った路面でスピードが出ていると、ブレーキを踏んでも滑っていくことがあります。普段とは違った運転方法に切り替えましょう。
WINTER LIFE⒊健康
腰痛を防ぐ雪かき法
ここでは石川県加賀市の雪質を踏まえ、腰痛を予防する雪かきのコツを紹介します。
前提として「ぼたん雪」は、凍りやすいという性質があります。水分を多く含んでいるため、最低気温が氷点下を下回る夜間などに凍結する恐れがあります。ところが加賀地方は冬場の最高気温が氷点下を上回っているため、雪が解けやすい環境でもあります。2020年以降、毎年12月~2月にかけて各月ごとの平均最高気温は約4℃~8℃で、暖かい日では10℃以上を記録しています。
加賀市では12月~3月にかけて途切れ途切れに雪が積もりますが、毎日雪かきするほどではありません。暖かい日が続けば、自然と雪が解けます。
それでも雪かきが必要になることもあるため、腰痛を懸念する人もいるでしょう。雪かきを「運動」という観点から捉えることで、腰痛の予防や対処できます。
重要なのは
・腰を曲げない、ひねらない
・腕の力だけで雪を持ち上げない
・長時間、作業しないなどです。
では、どのように雪かきすることで腰痛を予防できるのでしょうか。コツは以下の通りです。
・スコップは「順手」で「小指」から握る。
・かがむ際は、腰を曲げずに膝を曲げる。相撲の四股のように。
・腰を落として、お辞儀するように雪をすくう。
・膝を伸ばして、足の力で雪を投げる。
※腰が曲がっていると負担がかかります。ウエイトリフティングを意識します。
WINTER LIFE4.湯治
冬の温泉入浴
しなしながら、膝・股関節をうまく使えず、腰回りの筋肉を長時間酷使してしまった場合は腰痛になるかもしれません。また雪かきは、利き腕を中心に同じ方向でばかり動作を繰り返すことが多いため、同一か所に負担がかかりやすい運動です。
そのため雪かきによる筋肉疲労などが原因で引き起こされる腰痛には、温泉入浴やストレッチがおすすめです。
温泉の「温熱効果」で血流がよくなることで、腰の筋肉の疲労がとれ、症状の緩和を望めます。またお湯の「浮力」によって腰にかかる負担も減ります。40℃のお湯に10~15分ほどリラックスして入って下さい。筋肉の緊張により痛みが発生している場合は、効果が期待できます。
ただし、運動の直後に熱い風呂に入ると血圧の急変などの問題が起きる可能性があるため、運動後はシャワーなどで体を慣れさせてから入浴するなど無理のない範囲での温浴を心掛けましょう。
しかし「急性の腰痛」には注意が必要です。いわゆるぎっくり腰ですが、腰の筋肉に急激な炎症が起きている状態のため医師の診断を受けるまでは入浴を控えましょう。