里山に住み、自然と暮らす。
山菜摘みLIFE STYLE
石川県加賀市はスーパーやコンビニなどの生活環境が整った便利な地方都市。
山間部に目を向けると、四季折々の山菜や果実なども採れる野生食材の宝庫が広がっています。
旬は一瞬。すぐに去ってしまう御馳走です。
里山に住まいを構え、季節を駆け抜ける食材を調達するライフスタイルをご紹介します。
さらに自然とともに暮らすことのリスクと回避方法などについても簡単に触れていきます。
里山LIFE STYLE⒈
アウトドアと山菜
草木が萌える春は、山菜摘みを謳歌できる季節。
フキノトウやゼンマイ、ワラビ、コゴミ、ヨモギ、シャク、タラノキ、コシアブラ、サンショウ、ウド等を手折るたびに、新緑に先駆けた香りが鼻孔を通り抜けます。自宅から数分のところに天然食材の宝庫があると、里山の四季を肌で感じるハイキングにも出かけられます。
山を所有している住民は、秘密の山菜収穫ポイントに通っていることもあり、野生の食材を分けてくださることもあります。イノシシ肉なども組み合わせ、ジビエ料理にも挑戦できます。
里山LIFE STYLE⒉
山に住み、野性味ある御馳走を拵える。
山菜のほろ苦さを味わうには、サクッとした天ぷらが王道。趣向を変え、春巻きの皮で包むことでパリパリ食感に仕上がります。
また和え物にする方法もあります。例えば白みそと和えたフキノトウ味噌は、酒の肴になるほか、ローストポークに添える調味料や、パスタソースとしても活躍します。セリ科の山菜であるシャクは、炊き立てのご飯とともに蒸らすと香りが立ちます。
ユズ、カキ、フユイチゴ、マタタビなどは自家製リキュールやシロップの材料にもなります。炭酸水やお湯で割った里山カクテルは、まるでデザートのように食事を締めくくります。
里山LIFE STYLE⒊
薬用植物と湯治場ぐらし
山菜や木の実には様々な効能が秘められており、漢方の材料になるものや、古くから医者が推奨している薬用植物もあります。
例えば糖尿病予防に期待できる山菜としてタラの芽が挙げられます。ラットを用いた実験で、糖の吸収を抑え、血糖値の上昇を抑制する効果が明らかになりました(吉川 2002)。アルコールの吸収も抑え、肥満・糖尿病予防に役立つことが示されました。
伝統的な薬用食物は、その効能が古来より認められてきました。それらが科学的に精査されることで、ヘルスケアの観点から理にかなった薬膳料理となり、地方ならではの湯治文化として展開することにも期待が高まります。
里山LIFE STYLE⒋
自然と暮らすために、山と町を守る。
山菜採りには、猪や熊と遭遇するリスクが伴います。蚊や蜂などの虫刺され、斜面から滑り落ちる危険とも隣り合わせです。
こうしたハプニングに備えつつも、地域住民との交流は必要不可欠となります。特に毒草を見分けるポイント、山菜の個体数を減少させないような摘み方や、立ち入り禁止の自家山林などを教えてもらうことは、里山をめぐるトラブル回避に役立ちます。
地元民と交流するには、町内で行われる山道の草刈りや川の掃除、祭りの手伝いなどが有効です。山や町を維持するボランティアに積極的に参加することが、地域に溶け込む近道となります。
また、いきなり山間部に移住するのではなく、生活拠点は住宅街に置きながらも、休日だけ地元民と山菜摘みに出かけるようなバランスの取れた暮らしも視野に、移住を検討されてみてはいかがでしょうか。
里山暮らしの情報を集めるオンライン移住体験
オンライン移住体験では、Zoomなどのテレビ電話を用いて、里山エリアで暮らす地元民と交流いただけます。加賀ならではのライフスタイルや、移住するうえでの注意点などを、自由にご質問ください。
お問い合わせフォームより、相談内容をご記入のうえ、ご予約ください。
参考文献
吉川雅之「薬用食物の糖尿病予防成分 医食同源の観点から」『化学と生物』 Vol. 40, No. 3, 2002