移住者インタビュー 加賀市定住促進協議会

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べにや無何有 <温泉旅館業>

募集人材:総合職

山庭の風景が流れ込んでくるような開放感あふれる空間で
お客様の心に残るしあわせな時間を作る仕事です。

女将
中道幸子さん

山代温泉の高台に佇み、自然の息づかいを感じられる宿。2009年から世界で最も美しいホテル・レストランのコレクションと謳われるルレ・エ・シャトーのメンバーとなり、2013年ルレ・エ・シャトー加盟520の施設の中から最も優れたおもてなしに贈られる「ウェルカムトロフィー」を受賞。国内外からハイエンドなお客様をお迎えしています。「英語でお客様のアテンドをしたい」「英語を使って国際レベルの仕事をしたい」という方に最適です。
(ヒアリング訪問日:2016.12.16(金))

当館の前身、山代温泉での商い

大正の終わり頃、それまで庄地区で農業をしていた主人の祖父母が「うどん屋なかみち」を山代地区で開いたのが商いの始まりと聞いています。子ども8人の大家族で、力を合わせて商売に励み、念願かなって山代温泉通りに「べにや旅館」を開いたのが1928年です。その後、主人の父の代の1970年に、現在地の高台に移転、さらに1980年に増築して客室を45室とし、旅館名も「べにや永楽」としました。それがおよそ35年前だと聞いています。

コンセプトを一新し、「べにや無何有」へ

1988年頃から私たちも経営に携わるようになりました。着想から5年くらいの歳月をかけて、1993年「こもれびの湯」というさわやかなコンセプトを打ち出し、宴会型旅館と決別しようと試みました。

1996年9月には、ロビーをリノベーションし、4室のみではありますが、新しい客室を作り、軽やかで新鮮な和の形を世に問うことが出来ました。この時から現在まで、設計はずっと竹山聖さんにお願いしています。幸い「こもれびの湯」と、新しいロビー、新しい客室4室が人気となり、その実績をもって、1998年には引き続き6室を新築。宿の名を「べにや無何有」に変えました。2001年には和洋室6室、図書室を新設します

そして、2006年には特別室若紫と方林円庭を新設。スパ円庭施術院もオープンしました。宿の名の「無何有」とは、中国の思想家荘子の言葉で、「何も無いこと」という意味ですが、日本にも古くから「何も無いことに価値を見出す」という考え方が有り、長い時間をかけて、「簡素なことの美しさ」、「きよらかな美しさ」を日本人の美意識として育んできました。べにや無何有でも「無何有」という名の通り、何も無いことを価値と考え、宿の在りかたを「庭の景観、そしてそこに過ごす人の時間をおさめる空っぽの器としてのしつらい」とし、日本人の自然観や美意識で、お客様をもてなしたいと考えています。

歴史が語る山代温泉の「土地の力」

一連の改革の中で最も重視したのは、この土地の力を活かし、他にないものを創っていくという視点です。

山代温泉は、1000年以上前は温泉も土地もすべて薬王院温泉寺が所有していました。平安末期、悉曇学の権威、明覚上人を京都から迎え、七堂伽藍が建立されます。有名な学者であった明覚を慕って当時多くの学僧が集まり、一大文化圏を形成して「薬師山」と呼ばれた歴史があります。温泉の守護、白山信仰、密教道場、悉曇学研究…。寺は、多くの学僧や修験者たちの修行の場であり、学びの場でした。また同時に温泉や薬草を使って心身を癒す治療の場でもありました。

無何有の「薬師山構想」

「薬師山」の歴史や土地の持つ力を山庭の自然とともに無何有の空っぽの器の中に取り込み、お客様が無何有で過ごす時間をさらに豊かにしたい。というのが無何有の「薬師山構想」です。

2006年、薬師山という土地の力を山庭を介して呼び込むために「方林と円庭」という空間を創りました。

「方林」は漆黒の大空間に二十五本の柱が林立する道場のような空間で、赤松や楓、山桜など大きな樹木が生い茂る自然の山庭に向けて開いています。今はファインダイニング「懐石方林」として、ご夕食ご朝食をお出ししています。テラスは、大きく山庭に張り出し、正面には赤松のご神木を望めます。

方林に隣接した「円庭」には「スパ・円庭施術院」を創りました。ラグジュアリーホテルのような豪華なスパ施設ではなく、手漉き和紙の障子と漆喰の壁に囲まれた、簡素な、しかし日本の美を感じられるスパです。トリートメントに関しては、山代が薬師山と呼ばれていた時代、僧たちが薬師山で行っていたと伝えられる温泉と薬草を使った施術を現代によみがえらせ、さらに進化させたものにしたいと考えました。そして、出来上がったシグネチャートリートメントが「薬師山トリートメント」です。伝統医学である中医学を実践する中医師の幸井さんの力を借りて、薬草マトリックスという表を作り、体質や希望によって薬草を選び、施術に使用します。全ての施術の前には温泉に入浴していただきます。また、マッサージに使うクリームやオイルには山代温泉の温泉水と貴重な薬草や生薬を加えることにしました。こうして薬師山の歴史を感じることが出来る、ユニークで質の高いスパが誕生しました。

さらに、山代温泉水と貴重な薬草成分をたっぷり配合した薬師山アメニティーを東大化学生命工学博士、チェユンソン博士と研究を重ね独自に開発しました。クレンジング、フェイシャルウオッシュ、ローション、エマルジョン、シャンプー、コンディショナー、ボディウオッシュ、ボディローションの8種類のフルラインで、温泉や薬草の天然成分と最先端テクノロジーが融合した最高品質のアメニティーです。無何有の客室、またスパ円庭施術院でも活用しています。

スパ「円庭施術院」は、「薬師山トリートメント」で、2012年スパジャパン・クリスタルアワードプロフェッショナル・ジャパン部門賞を受賞しました。受賞理由は、他にはない土地の歴史を取り入れた個性的なコンセプトと優れたトリートメント技術ということでした。また2015年には、The BEST SMALL HOTEL SPA WORLDWIDE を受賞しました。

また、2013年からは 海外のお客様にご提案しているユニークエクスペリエンスの一つとして「薬師山ウォーク」をはじめました。コースは、山代薬王院温泉寺→アイウエオの小径→明覚上人の碑(五輪の塔)です。無何有のスタッフが同行して、薬師山の歴史を説明したり、石に刻まれたサンスクリット文字を見たりしながら散策します。そして、宿へ帰った後は、温泉入浴して薬師山トリートメントを受けていただくことも可能です。最新のアイディアとしては、薬師山でカキドオシという野草を手摘みし、乾燥させ、カキドオシのお茶を作って円庭施術院で提供しています。この薬師山構想に関しては今後も新しいアイディアをどんどん出して、さらに育ててきたいと考えています。

ルレ・エ・シャトーに加盟

「ルレ・エ・シャトー」とは、世界で最も美しいと謳われるホテルとレストランのコレクションで、2016年には世界61カ国549のホテルとレストランが加盟しています。1954年の創設当時より、5C(Calm : 静寂 Charm : 魅力Character : 個性Cuisine : 食事 Courtesy : もてなし)で表される基準による厳格な審査をクリアしたホテルとレストランのみが加盟を認められてきました。

べにや無何有は2009年からメンバーとなり、2013年度には「ルレ・エ・シャトー ウェルカムトロフィー」を受賞しました。ウエルカムトロフィーとは、すぐれたホスピタリティーを讃えるために設けられた賞で、ルレ・エ・シャトー加盟のすべてのホテル・レストランの中から毎年1つのプロパティーだけが選ばれる栄えあるトロフィーです。イタリアトリノにある世界遺産サヴォイア王家のヴァナリア宮殿で授賞式が行われました。

ルレ・エ・シャトーで大事にされているのはFamily Spirit です。ここでは、会員のホテル、レストラン、スタッフ、そしてゲストも皆ファミリー。オーナーやスタッフの顔が見える家族的なもてなしを大切にしています。世界中61か国、549のホテル・レストランで28,000人を超えるスタッフが、 “The Road to Happiness ” “幸せの道” を合言葉に、5C憲章を尊重し、同じバッジを胸に付け、ゲストの幸せを実現するために働いています。

コンセプトの共有

スタッフとのコンセプトの共有のために「べにや無何有スタンダード」というミニ冊子を活用しています。「べにや無何有スタンダード」には日本語版と英語版があり、無何有のコンセプトとルレ・エ・シャトーの5C憲章が多くの写真とともにわかりやすく説明されています。

スタッフには入社時にこの「べにや無何有スタンダード」とルレ・エ・シャトーのバッジを渡します。バッジはいつも身に着けることを義務付けており、自分もルレ・エ・シャトーのファミリーの一員であるという自覚を促します。また、「べにや無何有スタンダード」も制服のポケットに入るサイズにしてあるので、スタッフは常に身に着け繰り返し見ることが出来ます。

「べにや無何有モーメントwith ルレ・エ・シャトー5C」という形で5C憲章のテーマに沿って「無何有」のコンセプトを毎日のおもてなしの場でどう実践していくのかを明確に示すことにより、スタッフが無何有のコンセプトとルレ・エ・シャトーの精神をよく理解し、質の高いおもてなしが出来るよう期待しています。

Mukayu English Speaking Team

ルレ・エ・シャトーに加盟していることもあり、無何有では海外から多くのお客様をお迎えしています。約3分の1が外国のお客様で、特にアメリカやヨーロッパからのお客様が多いのが大きな特徴です。

2015年3月、北陸新幹線 東京→金沢間が開通し、「東京→金沢→京都 また 京都→金沢→東京を結ぶ 新ルート」が定着化してきました。無何有としてはこのチャンスを生かし、海外からのゲストの数のみならず、宿での滞在日数を伸ばす工夫にも取り組んでいます。

現在は1泊が57%、2泊以上が43%です。約半分が滞在客というのは他旅館に比べれば非常に高い数字なのですが、もっと長く滞在していただきたい。海外のラグジュアリーリゾートでは、1泊や2泊のゲストは珍しく、多くの方は少なくても3泊くらいは滞在し、リゾートそのものはもちろん、周囲の散策、土地の人々との触れ合いを楽しんでいます。金沢・加賀には東京・京都にはない風景、自然、歴史、文化があります。それを楽しんでいただくために、まずは平均3泊程度の宿泊日数を目指したいと考えています。

その目標の為に中心になって活動しているのが、無何有のEnglish Speaking Teamです。英語を話せる日本人と外国人スタッフで10名を超えるTeam を作っています。外国人スタッフの国籍はイギリス、ロシア、タイ、シンガポール、インドネシア、ヴェトナムなどですが、全員が世界のトップにランクされる観光立国スイスのホテルマネジメント大学の卒業生。チームの平均年齢は20代。インターナショナルな若いスタッフたちです。


(写真は2015年のMukayu English Speaking Team)

無何有チームと行く 無何有ユニークエクスペリエンス
Mukayu Unique Experiuence
Discovery Tour with Mukayu Team

特に力を入れているのが、Mukayu Unique Experiencesです。リゾートらしいゆったりとした滞在をしていただくためのものですから、二泊以上のお客様のみを対象としています。特徴が二つあって、一つはEnglish Speaking Teamのスタッフがゲストと一緒に行くこと。もう一つは、見たり聞いたりするだけではなく、ゲスト自身が手を動かすなどして、何かを直接体験することです。

Cooking Class A Taste of Japan
Yamashiro Onsen Walking Discover the Sacred Land of Yamashiro Onsen
Hiking Around Tsurugataki Waterfall Back to Nature
Ozuchi Mountain Trekking Back to Nature
Ozuchi Mountain Foraging for Wasabi Nature to plate
Ozuchi Mountain Foraging for Mushrooms Nature to plate
Walking and Painting Nature Painting in Nature
Soba Making Class & Soba Lunch The Ultimate Noodle Experience
Kamisuki Paper Making Experience Enjoy Japanese Paper Making
Yamanaka Lacquerware Artist Studio Admire the Traditional Technique of Local Lacquerware
Kutani Porcelain Artist Studio Admire the Traditional Technique of Local Pottery
Zazen Meditation at Jisshoin Temple Treasure the Blooming Daishoji
Kimono Wearing Experience Dress like a Japanese

など様々なメニューがあります。これからも無何有ならではのユニークエクスペリエンスを次々と作り上げて、海外からのお客様と、加賀の自然・食・工芸・ヒトとの出会いを作り、一期一会の時間を楽しんでいただきたいと考えています。

人生を豊かにする仕事

旅館に泊まるということには衣食住のすべてがあり、豊かな思い出を作れます。時にはお客様から「前はプロポーズのためにふたりで無何有にきて、それで結婚出来たので、また記念日に来ました」とか「亡くなった主人と無何有で過ごしたことが一番の思い出で、生前に二人でよくそのことを話した」といった話を聞くことがあります。そうしたかけがえのない時間をつくり出せるのですから、非常にやりがいのある仕事だと思います。

お客様は豊かな時間を過ごししあわせになりたくて無何有に来てくれるわけです。そして、うまくいけば、しあわせになって帰ってくれます。そこがこの仕事の一番の魅力じゃないでしょうか。人をしあわせにし、心を豊かにすることは、人生を豊かにすることだと思います。非常に大きな可能性がある仕事です。

事業データ

企業名:べにや無何有(むかゆう)
代表者:代表取締役 中道 一成
所在地:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉55-1-3
連絡先:TEL 0761-77-1340 FAX 0761-77-1340
WEB: http://mukayu.com/

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