移住者インタビュー 加賀市定住促進協議会

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専門医療の充実が新病院での当面の目標。
30年ぶりの加賀も少しずつ楽しみたい。

上出 真一(かみで しんいち)さん

石川県加賀市出身。名古屋で30年間を過ごし、平成28年春、加賀市医療センター開院と同時に、加賀市にUターン。循環器内科ドクターとして忙しい毎日が続いている。加賀市医療センター(循環器内科医師)。[インタビュー訪問日:2017. 2.1(水)]

事業所名:加賀市医療センター
所在地:〒922-8522 石川県加賀市作見町リ36
連絡先:TEL.0761-72-1188
WEB:http://www.kagacityhp.jp/

加賀にはUターン移住だが、あまり加賀を知らない

昨年まで名古屋に30年間いました。加賀の出身ではありますが、加賀市に住んだ期間は約5年だけ。10歳までは父が大阪の大学病院に勤務しており、高校時代は金沢で一人暮らしをしましたので加賀をあまり知らないまま、大学から名古屋に出ていました。今も、戻っては来ましたが平日日中ほとんど病院にいるので、まだ加賀を知らない状態です。
週末も、隔週日曜日はまだ前の勤務地である名古屋の病院に通っています。自分が抜けた後の補充ができておらず一人減員なので、来年までは名古屋にも通うことになっています。今後ゆっくり加賀を知っていこうかなと思っています。

医師になったきっかけ

医師を志したのは、父の影響です。父は今も現役。市内の動橋(いぶりばし)地区で開業医をしています。学生時代は外科系に進みたいと考えたこともありましたが、循環器の先輩方の誘いもあり、結局は父と同じ循環器を専門に選びました。循環器は緊急手術があるなど、内科の中では外科に似た科といえますね。

この病院に赴任しての印象

高齢のかた、長寿のかたが多いなと感じています。名古屋で診ていた患者様より、年齢層が10歳ぐらいは高い印象です。90~100歳の方もお見えになります。この辺りは、健康で長生きされる方が多いのかもしれないですね。
観光客が多いのも、この病院の特徴ですね。旅先では、思いがけず体調を崩されることもあると思いますが、この病院は加賀温泉駅からも近い立地で、困ったときに利用してもらうにもすごくいい環境です。これまでに例えば、心不全の方が旅行中にあまりトイレに行けないと困ると考え、利尿剤を自己中断され症状を悪くされたといった例などがありました。
市民のための病院であると同時に、観光客のための病院としても機能しているのは、観光地ならではですね。安心してご旅行に来ていただけます。

地域の期待に応えるため、医師不足の解消も課題

地域住民のための病院という意味では、これまでわざわざお隣の小松市や福井県に行かれていた患者様が、新病院のオープン以降は地元に戻ってきているようです。
とはいえ、やはり規模の割には、医師がまだ少ないなと感じています。救急の当直は、常勤、非常勤の先生にも手伝っていただきながらやっています。月3回、10日に1回ぐらい当直が回ってきます。私の場合は今のところ、日曜の日当直を名古屋でもやっているので、1か月あたりの当直回数はもっと多いですね。翌日少し外来診療をして、手術をして帰ってくるという生活です。
この新病院は、立地も良いし、すごく良い病院だと思います。ですので、もう少し医師を充実させることができれば、加賀市の医療を安心して提供できるようになると思います。

いまは専門科以外も診る体制

本当であれば、専門の先生が充実していて、専門科の治療を専門的にやるのが理想的。今まで勤めていた病院はそういう体制をとっていて、自分の専門以外の疾患をみる必要はほとんどありませんでした。ただ、それだけ重症な患者様を診なくてはならなかったとも言えます。
ここでは、自分の専門の疾患だけでなく、いろんな疾患を診なくてはいけないのが現状。その割合は、今までの病院よりも遥かに多いです。専門でない疾患を診ているほうが多くなったりもします。循環器のドクターがいま2人しかいないので、多くの患者様を2人だけで分けるのは難しく、他の科の先生にも診てもらっている状態です。

循環器内科の緊急対応体制

心不全、心筋梗塞、不整脈などが、循環器内科の診療分野です。ペースメーカーを入れる手術も、循環器内科の分野です。カテーテルを入れるなど専門的な治療が必要な患者は、専門である2人で手分けします。
循環器で緊急というと、たとえば心筋梗塞のカテーテル手術などが入ります。心筋梗塞は時間が勝負ですから、24時間365日でこれに対応できる体制を取ろうと思うと、2人では無理です。1人が365日待機は不可能。しかも医師1人ではリスクが高いので、医師が最低2人はいないといけません。医師2人のチームが最低2組はほしいところです。最低4人は必要ですね。

救急でも内科の存在感は大きい

実は、救急の半分以上は内科系です。外科は重傷者が1例でも入ると大変だと思いますが、患者数でいえば、内科系がほとんどです。ですから、内科系をもう少し充実させないといけないかなと思いますね。
専門科の先生がそれぞれいらっしゃいますが、結局は医師の数が少ない。何でも診なくてはならず、みんなで手分けして総合診療をやっているところです。

患者の笑顔に仕事のやりがいを実感

ふだんから、できるだけ患者様の健康を維持できるように勤めさせていただいています。消化器内科などのように終末期を見る治療も大切ですが、循環器はどちらかというとがんが少なく、かなり元気な状態で帰る方が多い科です。笑顔で帰られるときには、やりがいを感じます。

相談できる同僚と共に、専門医療をしっかりと

この病院内に、気軽にいろいろ相談できる同僚がますます増えてくれると、うれしいなと思います。できるだけ専門的な医療をしっかりやっていけたらいいなと思っているので、同じ方向を見ているような同僚がいれば、いつでも相談しながらやれるのではないかと思います。

器具や呼び名の違いに最初は戸惑った

勤務地が変わって、前とは違うなと思った部分もやはりあります。加賀に戻る前までは、自分の卒業した大学病院の先輩後輩など、つながりのある病院にしか勤務経験がありませんでした。この病院に来たら、周りはみんな地元の大学出身の先生がほとんど。完全に外様で、馴染んでいけるかなと、最初はちょっと心配しました。
病院によって、癖のようなものがいっぱいあり、やり方の違いもありました。予想していなかったことでは、同じカテーテルでも使う器具が違ったり、物品の呼び名が違っていて驚きました。自分の思っている器具が出てこず、「どういう呼び名で呼んでるんだろう」と戸惑いました。名古屋に当直に行ったときに、「加賀ではこう呼んでるんだよ」と言うと、みんな「エッ?」とびっくりしていました。器具が違う理由は、その大学病院が開発した器具をメーカーが納めているからといった理由もありますね。
ただ、器具の操作は身体が覚えているものなので、今更使う器具を変えにくいものです。今は僕が使い慣れている器具を入れてもらっていますので、治療に当たって困るということはないですが、僕と別の先生で器具が違うとなると、スタッフにはご苦労を掛けているのではと思います。

普段の暮らし、ご家族のようす

これまでに大変だったことは、色々ありますがやはりなかなか帰れないこと、帰ってもすぐ呼び出されることなどがあります。ずっと緊急のカテーテルができる病院に勤めていて、自分のプライベートな時間がなかなかありませんでした。
いま子どもが小学生で、まだ小さいので夜も8時半には寝てしまいます。起きている顔をほとんど見られない毎日です。頑張って帰りたいと思うが、なかなか難しいですね。
移住後の順応は、やはり子どものほうが早い。関西育ちの妻は田舎に住むのが初めてで、まだ慣れてない感じでしょうか。私も週末まだ名古屋の病院に当直に行ってしまうので、加賀での日常生活をあまりゆっくり過ごせてはいませんね。
せっかく自然にも恵まれたところなので、これから子どもと遊ぶ時間を作っていけたらなと思っています。

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