採りたてブドウを味わえる人気農園を職場に。
ベテラン農家のもとで経営手腕と栽培技術を学び、年収UPも目指す。

ぶどうやさん西村 オーナー
西村 等 nishimura hitoshi

3つの温泉観光地を有する石川県加賀市には、6次産業化が進むエリアがあります。ジェラートを振舞う酪農家、スイーツ店を直営する養鶏場、和紅茶を製造する茶葉農家が集まる分校(ぶんぎょう)地区を舞台に、人気ブドウ農園を経営している農家が西村さんです。

西村さんの農園では20品種ものブドウを栽培しており、夏になるとブドウ狩りを楽しむ人々で賑わいます。ブドウ狩りは夏季限定にも関わらず、僅か2か月で約2000人もの来園者が訪れる盛況を博します。その経営手腕と栽培技術を学びながら、年収UPも目指せる就農環境として、「ぶどうやさん西村」をご紹介します。(2019年6月インタビュー)

 

観光農園と直売をメインに
年商1500万円超え。

私は昭和53年に農大を卒業したあと、名古屋で就職し、それから脱サラしてブドウ農家になりました。これまでブドウ直売を中心に、ワインやジュース販売、BBQガーデンやレストランなど、様々な事業にチャレンジしてきました。

中でもブドウ狩り体験&食べ放題(時間無制限)は、年商の3~4割を占める人気事業です。その醍醐味は、1度の収穫体験で王道品種から希少種までを食べ比べできること。たとえば、緑色の小粒が実る希少品種「ハニーシードレス」は、糖度も高く、カキンッとした食感が特徴です。その畑を開放するとリピーターが毎年駆けつける程の盛況ぶり。

こうした希少価値の高いブドウと有名品種を食べ比べできることが高い満足度に繋がっています。収穫時期が少しずれるよう様々な品種を育てているため、繰り返し来園するファンも現れますそういうリピートしたくなるような農園づくりが楽しいんです。

 

農家と経営者とエンジニア
一人三役で、年収UPの創意工夫

観光農園の魅力化には、どんな品種を植え、どんなコンセプトで勝負するかという経営的視点も大事ですが、コストを抑える創意工夫も重要です。私の場合、もともと機械づくりが好きで、農機具のメンテナンスや、BBQガーデンの設計も自分でやってきました。

例えばBBQガーデンはブドウの木の下で食事できるように設計しています。またブドウの蔓を頭上に伸ばすための鉄骨は自分で溶接しました。さらに基礎工事では、雨が降っても畑に水が流れないよう地面に20センチの高低差をつけています。それを計算し、完成させた時に「よしっ理論的だ。やったじゃん!」と嬉しくなる。

農機具が壊れてもすぐに業者を呼びません。まずは自分で直す。機械がギギギッと鳴る理由が分かれば、壊れる前に修理できます。だから修理費が安くなる。農機具のメンテナンス・スキルは経営にプラスになりますし、新サービスの開発にも応用できます。

樹高3m近くのブドウの木が伸びるBBQガーデン。
設計や鉄骨の溶接は西村さんが手がけた。
ピザ焼き体験用の石窯製作もお手のもの。
煙の出ないロケット燃焼方式も構想中。

 

失敗に屈しない。
レストラン再生の兆し。

観光農園は失敗と試行錯誤の連続です。新しい品種を植えるにしても、美味しく育てる方法が分からないことがあります。失敗から学び、栽培マニュアルを確立させる試行錯誤が必要です。

その積み重ねの結果、今では20品種ものブドウを採れる農園に成長しました。宝石のように大粒のルビーロマンは市場に流し、糖度が自慢のデラウェアやブラックオリンピアはブドウ狩りで、中国原産の三尺ブドウやアメリカ生まれのキャンベルは搾ってジュースに。多様な品種を育てているため、たとえ新品種の栽培に失敗しても年収がガクッと減ることはありません。

かつてブドウ畑を眺められるレストランを10年くらい経営したこともありました。今も厨房設備や食器を残しているため、新規就農者が新しいチャレンジを起こすときの足掛かりにしたい考えています。果樹栽培や観光農園に挑戦してみたい人は、ぜひ一度、農園見学にお越しください。

 

西村さんと会う農園見学ツアー

ぶどうやさん西村のコンセプトや経営ノウハウを詳しくお聞きできる農園見学ツアーです。ブドウ畑、BBQガーデン、レストランを見学しながら就農相談できます。

栽培作物や就農先にお悩みの方も、ふるってご参加ください。

ツアーの詳細

事業所 ぶどうやさん西村
所在地 石川県加賀市分校町263-5
業務内容 ブドウの栽培や収穫。来園者への接客。
目標 観光農園の運営スキルを習得する。レストランを活用した新事業にも挑戦可能。
生産者数 2名
免許資格 普通自動車運転免許

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