地域の豊かな森を守り支える仕事

代表理事専務 清水 正明さん
加賀支所長  辻 智之 さん(写真)
かが森林組合は、石川県南西部を管理区域とする広域の森林組合です。スギの優良生産地を抱える当地で、豊かな森林を将来にわたって維持するために、下刈り、枝打ち、間伐等を中心に、持続可能な森林管理のための効率化や、次世代に財産を引き継ぐための取り組み等も進めています。森で自然と関わり、環境保全を担う仕事です。

 

管理区域は県内最大規模

林業は、森林を維持管理しながら、育成した樹木を伐採して木材資源を生産する仕事です。豊かな森林にするために下刈り、枝打ち、除伐、間伐を行いながら持続可能な森林管理を行います。

かが森林組合は、石川県南西部の4市(加賀市、小松市、能美市、白山市)をまたぐ広域の森林組合です。石川県南西部は総面積のうち7割を森林面積が占め、当組合はそのうちの3割の人工林に主に関わり、手入れをしています。森林面積は113,975ha(国有林を含む)、うち民有林面積は86,189haで、管理区域は県内最大規模になります。

 

 

南エリアの「日用スギ」、白山エリアの「桑島スギ」

当組合管内のうち、南加賀地域はスギの優良生産地として知られており、地元品種の「日用スギ」が広く分布しています。一部では「百年木」と呼ばれる長伐期施業が行われており、スギの大径材生産による美林も多く見られます。山裾の肥沃な土地に人工林が広がり、手入れが行き届いた人工林は、山里の美しい風景を生み出しています。

一方、管内東側に位置する白山地域は、森林率が80%以上と高く、県下の水がめとして重要な水源地となっています。ここは天然広葉樹が80%以上を占めており、人工林率は18.6%と県平均(39%)と比較しても著しく低くなっています。それらの人工林は、雪に強い「桑島スギ」が大部分を占めています。

 

 

隣り合う森林の間伐をまとめ、効率化を

例えば間伐をしないと、森林はどうなるのか。樹木が成長し密集すると、お互いの生育を妨げます。さらに日光が遮られるため下草が繁茂せず、土壌が流失し、森林が荒廃してしまいます。これらを防ぐために、一部の木を伐採し、成長の促進と光環境の改善を図っていくことが必要になります。

その際に、一般的な間伐では個々の森林所有者ごとに同意を得て行うため、たとえ隣り合った森林であっても、所有者が違えば異なる時期に再び機材を持ち込んで作業をしています。

しかし、かが森林組合では、作業の効率化のため、「集団間伐事業」といって、複数の森林所有者の同意を得て、広いエリアをまとめて間伐しています。

 

 

個人所有森林の境界明確化にも取り組む

山で木を切る間伐等の仕事の一方で、現在当組合で力を入れているのが、「境界明確化事業」です。いわゆる地主と呼ばれる森林所有者の中には、「自分の山がどこか、見たこともない」という人が多くいます。森林の境界があいまいで、所有者にさえ把握されていないため、次世代に財産が引き継がれにくく、間伐などの許可を誰にとったらいいのかわからないという事態も発生してしまいます。境界の明確化は、森林の保全・整備を行っていくうえで非常に重要な事業なのです。

仕事の内容としては、まず、地域の人や地主の方々にヒアリングを行い、次に隣り合った地主同士や測量専門の業者に立ち会ってもらい、両者で境界線を挟んで写真を撮影します。そのうえで図面にも起こし、組合で管理します。

いわばコーディネーターのような役割なので、コミュニケーション能力が必要な仕事です。不在地主を遠方から呼び寄せることもあり、大変な業務ですが、地主に働きかけることで自分の土地を意識してもらい、地域の盛り上がりにつながっていくこともあります。

 

 

民間企業とも連携し、加工・販売業務まで

集団間伐地から出荷された木材は、建築用材、土木資材などに加工しています。当組合で小松市に那谷工場を持っています。また、民間の製材メーカーとも協力し、木材の加工・販売を委託しています。

 

 

森林の魅力を探る“林業研究グループ”

加賀市には、当組合の下に、“加賀市林業研究グループ”という自主的なグループがあります。森林づくりの技術や経営改善、地域づくりや交流など、森林・林業に関わる活動を行っています。

近年は、杉の木を切ってクリスマスツリーに見立て、加賀市内の保育園に配るなどの活動も行い、森林の新しい使い方、売り方などを研究しています。

 

 

現場監督及び森林測量スタッフを募集!!

組合の従業員数は、現在36名で、そのうち5名の方が加賀市で勤務しています。 募集職種は、現場監督及び境界測量です。業務内容ですが、間伐作業の提案や業務管理・森林測量・パソコンでの事務処理などを行います。測量の仕事は入ってから経験を積むこともできますが、測量経験者だとありがたいです。

当組合は市町をまたいだ組織なので、加賀市内だけで仕事をするということはありません。近隣の小松市、能美市、白山市などで仕事をすることもあります。

作業員数は、外注も含めて80人ほどです。山仕事をしている人は50人ほど。うち10~20人は加賀市在住の方です。意外と若い担い手も多いです。

森で自然と関わるしごと、林業を一緒に支える仕事をしてみませんか。

 

 

事業所データ
企業名 :かが森林組合
代表者 :代表理事組合長 田中 隆平
事業内容:森林組合法に基づく事業、主に造林事業
組合員数:6,553名
従業員数:36名
WEB  : http://kaga-forest.or.jp/

■かが森林組合 本所・小松支所
〒923-0181 石川県小松市長谷町ヨ244番地
TEL:0761-46-1341 FAX:0761-46-1177
E-mail:komatsu@kaga-forest.or.jp

■かが森林組合 加賀支所
〒922-0831 石川県加賀市幸町2丁目90番地
TEL:0761-72-0592 FAX:0761-72-0342
E-mail:kaga@kaga-forest.or.jp

■かが森林組合 山中支所
〒922-0128 石川県加賀市山中温泉こおろぎ町イ72番地2
TEL:0761-78-0833 FAX:0761-78-2122
E-mail:yamanaka@kaga-forest.or.jp

■かが森林組合 白山支所
〒920-2321 石川県白山市吉野ケ6番地
TEL:076-255-8930 FAX:076-255-8931
E-mail:hakusan@kaga-forest.or.jp

■かが森林組合 辰口出張所
〒923-1224 石川県能美市和気町い19番地
TEL:0761-52-0456 FAX:0761-52-0457
E-mail:tatukuti@kaga-forest.or.jp

■かが森林組合 那谷工場
〒923-0336 石川県小松市那谷町金1番地
TEL:0761-65-7300 FAX:0761-65-7301
E-mail:nata@kaga-forest.or.jp